リュックサックとバックパックはどこが違う?

違いについて解説!

アウトドアで使われていた「バックパック」ですが、近年はビジネスパーソンに受け入れられ、バックパックで通勤する人々をよく見かけます。いまや、おしゃれなタウンバッグ感覚で使われるようになっています。ところで、昭和や平成の初め頃までは「リュックサック」と呼ばれることが主流でした。そのリュックサックが、何故バックパックと呼ばれるようになったのか、両者に違いがあるのか、詳しく紹介します。

1. リュックサックとバックパックは同じ

結論からいえば、リュックサックとバックパックは同じものです。厳密にいえば違いがあるのかもしれませんが、「リュックサック」がドイツ語、「バックパック」が英語で、同じものを指します。昭和の時代は「リュックサック」が使われていました。子どもさんが遠足で背負うバッグも「リュックサック」と呼ばれていました。

それが、1980年(昭和55年)頃に、アメリカのトレンドとして、リュックサックを背負って世界各国を旅するバックパッキングが広まりました。同時に、日本ではリュックサックがバックパックと呼ばれるようになり、バックパックを背負って旅するバックパッカーも増え、バックパックが定着していったようです。

2. リュックサックについて

リュックサックはドイツ語で「rucksack」の綴りになります。「ruck」は「背中、背負う」の意味で、「sack」は「袋」を意味します。そこから「rucksack」は「背中で背負う袋」の意味になり、日本ではリュックサックと呼びます。ドイツ語本来の発音を書くと「ラックザック」に近い音になります。リュックサックを「ザック」という呼び方もあります。

2-1. 軍隊で使われていた歴史

「リュックサック」は軍用として使われていた歴史があります。容量が大きく、いろいろなものが入り、両手が自由に使えることから戦場で重宝されました。日本の軍隊でも「背嚢(はいのう)」と呼ばれ、リュックサックと同じ背負い袋が使われていました。こちらもドイツ語の「rucksack」が直訳されたものです。

このような歴史があり、昔のリュックは厚手の布で作られていました。現在はポリエステルやナイロンをはじめとした軽くて丈夫な素材で作られています。

2-2. 日本では山登りの用具としてスタート

日本で初めてリュックサックを使用したのは、地理学者の山崎直方博士です。1898年(明治31年)に、ドイツに研究のために留学し、1902年に帰国したときに、ピッケルや登山靴などの登山用具とリュックサックも持ち帰っています。持ち帰ったリュックサックは日本山岳会の第一回大会で展示されました。

3. バックパック

「バックパック」は英語で「Backpack」と表記します。背中に背負うバッグで、リュックサックと同じです。最初の頃の「バックパック」は、アルミ製の枠にコットン製の袋がつき、それを背中に背負うバッグでした。しかし、現在は素材で区別することなく、背中に背負うバッグを総称して「バックパック」と呼んでいます。

3-1. バッグパックは1950年代に誕生

1950年代の南カリフォルニアでバックパックは誕生しています。アメリカの有名なアウトドアブランド・KELTY社の創業者である、ディック・ケルティ氏が、自らの理想とするカバンを苦心して作り上げたものが、現在の「バックパック」の原型だと伝わっています。

バックパックは人気となり、全米に広がり、そのバッグを背負って旅に出る「バックパッキング(back packing)」が誕生しました。バックパックを背負って旅する人のことを「バックパッカー(back packer)」と、呼ぶようになったのです。

3-2. タウンユースで使われるデイパック

近年、バックパックがいっそう洗練され、小型化したデイパックと呼ばれる人気アイテムがあります。少し小ぶりなサイズでおしゃれなバックです。タウンユースやシティーユースとして使い勝手がよく、通勤や通学で利用している方をしばしば見かけます。

もともとデイパックは文字通り日帰りのハイキングなど、近場に出かけて日帰りするときに使うリュックでした。容量が小さめですが、これもリュックサックです。 小さ目とはいえ、タウンユースに使うには十分なサイズです。また、リモートワークの普及でパソコンやタブレットを持ち帰ることもあり、デイパックは持ち運ぶ際に背負えて運べ、人気になっています。

3-3. デイパックは学生が広めた

軍隊で使われていたリュックサックは、荷物がたくさん入り大きく重い物でした。当時はたくさん入ることが重要だったので、女性には敬遠されていたのです。そんな中で、近場のハイキングなどで使うバックパックを小型化した「デイパック」を女性が使うようになりました。女性の需要が増えたことでおしゃれなデザインを採用し、女性にも手軽に使えるように軽量化を図り、一気に人気になりました。

また、デイパックが広まった一つのきっかけとして、アメリカの学生たちがデイパックを使い、教科書を入れて持ち運ぶようになったことです。教科書やパソコンを運ぶのに最適のサイズでした。その後、他の世代の需要も増え、デイパックのタウンユースが定着しました。

4. まとめ

リュックサックとバックパックは同じものですが、それぞれの歴史について紹介しました。また、最近人気のデイパックも取り上げて、人気になった経緯を解説しました。

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